最終確認日:2026年10月31日
賃貸住宅で水漏れが起きたときは、水を止めたうえで、修理業者を探す前に、建物の管理会社か所有者(大家さん)へ連絡するよう、複数の自治体が案内しています。
修理費を誰が負担するかは、契約の内容や、水漏れの原因などによって変わるため、この記事では決められません。
民法は、修繕が必要なときは、借りている人が遅滞なく貸す側に通知すると定めているため、連絡は早めに行ってください。
この記事は民間の賃貸住宅を想定しており、公営住宅やUR団地などは、窓口が別になる場合があります(東京都水道局、新潟市)。
水漏れが続いているときは、先に水を止めてください。
止水栓、または水道の元栓を閉めます。
方法は、水漏れしたときの応急処置:止水栓・元栓の閉め方とやってはいけないことで説明しています。
修理を待つあいだの応急処置の目安です。
安全にできる範囲で、無理せずどうぞ。
症状を選んでください
汚水が逆流する
大雨のとき(下水が逆流するおそれがあるとき)
- 水をなるべく使わない
- 水のうを便器の中や排水口の上に置く
1:逆流が収まるまで、風呂の水を抜かない、洗濯をしない
水のうは、水を入れて口を縛った二重のゴミ袋です。
使った袋は、トイレに流さない
出典:岡山市「下水道Q&A トイレやお風呂の排水口から逆流してきた」(ページ上の日付 2020年5月11日)
大雨でないとき(排水管のつまりが疑われるとき)
しないこと新たに水を流さない
しないことつまっている箇所に、無理に触らない
188・水道局は国や自治体などの窓口で、当協会の運営・提携ではありません。
連絡先は管理会社か所有者:自治体の案内と、連絡先の確かめ方
賃貸住宅の水漏れの連絡先について、自治体は次のように案内しています。
- 朝霞市(2026年10月2日):賃貸マンション・アパートは、まず建物の管理会社や所有者に相談するよう案内しています。
- 姫路市(2026年9月2日):水回りのトラブルで賃貸住宅に住んでいる場合は、まず管理会社に連絡するよう案内しています。
- 新潟市(2024年1月11日):民間のアパート・マンションは、管理人や管理会社(不動産会社等)に連絡します。市営住宅はサービスセンター、県営住宅は住宅供給公社と、窓口が分かれています。
- 東京都水道局(更新日の記載なし):マンションなどの共同住宅は、建物の所有者・管理者・管理会社に連絡するよう案内しています。都営住宅等やUR団地は、別の窓口です。
管理会社や大家さんの連絡先が分からないときは、入居のときにもらった書類を見直してください。
書類が見つからないときは、建物の掲示や、仲介した不動産会社に問い合わせる方法もあります(当協会の考え方)。
国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(2026年4月1日施行版)によると、賃貸住宅管理業法の対象となる賃貸住宅を取引するときは、重要事項説明書に、管理業務の委託を受けた者の氏名(法人は商号または名称)と住所(法人は主たる事務所の所在地)を記載して説明することになっています。
清掃など建物の物理的な維持だけを委託された者は、含まれません。
管理会社の名前が分かれば、問い合わせて連絡先を確かめられます(当協会の考え方)。
連絡がつかないときの考え方は、水漏れしたときの応急処置:止水栓・元栓の閉め方とやってはいけないことで説明しています。
業者を自分で呼ぶ前に確かめることは、下の節に書きました。
修理費の負担は何で決まるか:民法の考え方と、契約・原因による分かれ方
先にまとめると、次のとおりです。
連絡は、早めに行います。
誰が払うかは、契約と、水漏れの原因によって変わります。
迷ったときは、費用の話は管理会社に確認してから進めてください(当協会の考え方)。
この記事は、条文や公的機関の説明を紹介するもので、個別の事案の結論を示すものではありません。
条文を詳しく知りたい方に向けて、民法の定めを次に並べます。
- 貸す側の修繕義務(民法606条1項):貸す側(賃貸人。大家さんなど)は、借りている人が使うために必要な修繕をする義務を負います。ただし、借りている側(賃借人)の責めに帰すべき事由(条文の言葉を言い換えると、借りている側に原因があるとされる場合)で修繕が必要になったときは、この限りでないと定められています。何がこれに当たるかは、個別の事情で変わります。
- 借りている側の通知(民法615条):借りているものが修繕を要するときは、借りている側は遅滞なく貸す側に通知しなければなりません。ただし、貸す側がすでに知っているときは、この限りでないと定められています。国土交通省のガイドラインは、通知を怠って被害が広がった場合、損害賠償を求められる可能性があると説明しています(階下への水漏れが例)。
- 借りている側が修繕できる場合(民法607条の2):貸す側に修繕が必要なことを通知した(または貸す側が知っていた)のに、相当の期間内に修繕しないとき、または急迫の事情(条文の言葉を言い換えると、すぐに対応しないと困る差し迫った事情)があるときは、借りている側も修繕できると定められています。
- 費用の償還(民法608条1項):貸す側が負担すべき必要費(条文の言葉を言い換えると、建物を使える状態に保つために必要な費用)を借りている側が支出したときは、貸す側に対して、直ちにその償還を請求できると定められています。
どの費用が「貸す側が負担すべき必要費」に当たるか、また上の要件に当たるかは、水漏れの状況や、事前の連絡の有無などによって変わります。
原因によって、扱いが分かれる例もあります。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(2011年8月)は、退去時の原状回復の負担の考え方として、次のように説明しています。
入居中の水漏れの修繕を直接扱った資料ではなく、あくまで退去時の考え方で、入居中の水漏れの負担を決めるものではありません。
原因で扱いが分かれるという考え方の参考として、紹介します。
- 設備機器の故障や使用不能のうち、機器の寿命によるものは経年劣化にあたり、借りている側の負担とは扱われていません。
- 日常の不適切な手入れや用法違反による設備の毀損は、借りている側の善管注意義務(物件を相当の注意をもって使う義務)に違反するとされることが多いとしています。
契約の特約によっても変わります。
同じガイドラインは、一定範囲の小さな修繕を借りている側の負担とする特約について、判例(裁判所の判断の積み重ね)では、貸す側の修繕義務を免除する意味にとどまると解釈される、と説明しています。
特約の書き方は契約ごとに違います。
契約書の内容を確認し、読み方が分からないときは、消費者ホットライン188か消費生活センターに相談してください(当協会の考え方)。
自治体の水道局が、水道メーターから蛇口までの修理は利用者の費用負担と案内している場合があります(朝霞市)。
これは水道局が修理する範囲について書かれたもので、賃貸の貸す側と借りている側のどちらが負担するかを決めるものではありません。
メーターから先の修理費の線引きは、メーターから先の水道管の修理費は誰が負担する?自治体で異なる線引きで説明しています。
連絡するときに伝えることと、自分で業者を呼ぶ前に確かめること
連絡は、早めに行います。
民法615条が、遅滞なく通知することを求めているためです。
管理会社や大家さんに伝える内容は、次のとおりです(当協会の考え方)。
- 水漏れの場所と、分かる範囲の状況
- 水を止めたかどうか
- 階下や隣の部屋に水が漏れていないか、分かる範囲で
- 連絡した日時、相手、話した内容を書き留めておく
修理業者を自分で呼ぶ前に、確かめておくことがあります。
静岡市は、賃貸住宅の場合は、修繕を進める前に、所有者や管理会社に確認するよう案内しています。
管理会社が修理を手配するのか、借りている側が手配するのか、費用をだれがいつ払うのかを、先に確認してください(当協会の考え方)。
集合住宅で水を止めるために元栓を探すときは、自分の部屋の元栓かどうかを確かめてください。
元栓の場所と閉め方は、水道の元栓の場所と閉め方・戻し方:メーターボックスの中を確かめるで説明しています。
2009年から駆け付け型の水道修理業界に携わってきた当協会の代表が、見てきた範囲でお伝えします。
お客様の側では、次のようなことがありました。
- 賃貸にお住まいで、管理会社や大家さんの連絡先も分からない、というお客様がいました。
- 集合住宅では、元栓が並んで配置されていることがあり、別の部屋の元栓だったこともありました。
出典・参考
- e-Gov法令検索「民法」(明治29年法律第89号)第606条・第607条の2・第608条・第615条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年10月30日 確認)
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(2011年8月)https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000021.html(2026年10月30日 確認)
- 国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(2026年4月1日施行版)https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001881261.pdf(2026年10月30日 確認)
- 朝霞市「水道修理の依頼の案内」(2026年10月2日)https://www.city.asaka.lg.jp/soshiki/34/suido-syuuritouban.html(2026年10月30日 確認)
- 姫路市「水回りのトラブルの案内」(2026年9月2日)https://www.city.himeji.lg.jp/anzen/0000011958.html(2026年10月30日 確認)
- 静岡市「水道料金の減額の案内」(2026年3月5日更新)https://www.city.shizuoka.lg.jp/s9267/s000966.html(2026年10月30日 確認)
- 新潟市「アパートの漏水の案内」(2024年1月11日)https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/bosai/faq/jogesuido/apartment_rosui.html(2026年10月30日 確認)
- 東京都水道局「漏水修繕の依頼先」(更新日の記載なし)https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/trouble/rousui/shuri(2026年10月30日 確認)
更新履歴:2026年10月31日 公開
当協会は、水道修理工事を行っていません。
水道修理業者のご紹介は、現時点では行っていません。
この記事は、公的機関などの資料をもとにした一般的な情報提供です。
ご自宅の状況や契約の内容によって、結論は変わることがあります。
個別のご事情は、消費生活センター(188)などの専門の窓口にご相談ください。
この記事の作成:日本緊急水道修理業協会 準備事務局
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